12. Police and Thieves ポリスとコソ泥 – 解説 歌詞 和訳 –

白い暴動 - The Clash

Police and Thieves ポリスとコソ泥 – 解説 歌詞 和訳 –

・要約

・レゲエシンガー ジュニア・マーヴィンのカバー曲
・ミック・ジョーンズの類稀なるアレンジセンスを感じさせる最初の曲
・圧制に立ち向かう世界中の人々のアンセム

・データ

1977年4月8日発売
録音:1977年3月
長さ 6:04
レーベル CBS
ソングライター ジュニア・マーヴィン, リー・”スクラッチ “ペリー
プロデューサー ミッキー・フット

・概要

ジュニア・マーヴィンのカバー曲でギャングの抗争と警察の残虐性をテーマにしたこの曲は1976年その夏の大ヒットとなり、ノッティング・ヒ ル・カーニヴァルでは絶頂を極めその時に起きた暴動の間もこのレコードはかけられ続けアンセムとなった。 ジョーとポールとマネージャーのバーニーがこの暴動に巻き込まれたこともデビュー・アルバムでカバーするきっかけの一つになった。

パンクロックが世に出始めた1976年当時は、イギリスにおける最新の反逆的音楽はジャマイカン・レゲエだった。

ミックとポールはブリクストン近辺のロンドン南部にある西インド・コミュニティに深く入り込んでいて、やがてメンバーが3人になると、同じようにカリブ色の強いノッティング・ヒルに引っ越した。

当時ミックとポールが21歳、ジョーは24歳。
若年層の失業率が、最も失業率が高かった高齢者層をも上まわるなか、わずかな失業手当で生活し「階級差別」や「政府」「体制」など社会全体にフラストレーションを感じている若者達は反逆的なジャマイカン・レゲエには共感し多大に刺激された。

・アレンジ

この曲はバンドのリハーサル室でのお気に入りの曲で、デビュー・アルバムに収録される予定はなかったがアルバム全体の収録時間が短いこともありレコーディングの休憩中に即興で演奏。

曲の冒頭でジョーがラモーンズの「Blitzkrieg Bop」の歌詞「They’re going through a tight wind」(彼らは厳しい風の中を進んでいる)という一節を引用している所が気が利いている。

ミック・ジョーンズがジョーにダウンビートのパワーコードを弾かせ、自分はレゲエのアップビートで自由にアクセントをつけている。スカスカの音のおかげでキック・ドラムの存在感が際立ち、音の隙間を上手く表現してクラッシュ独自のヴァージョンになる名曲が出来上がった。そのまま完成したものをレコーディングし、アルバムに収録することになった。

おかげでアルバムのムードが一変。「白い暴動」とは対照的な存在となり、最終的にアルバムの長さは30分を越えるものになった。

・パンクアレンジに対する反応

原作者マーヴィンの最初のコメントは「奴らはジャー・ワーク※注1を破壊した!」で、彼のプロデューサーであり、後に「Complete Control」でバンドのプロデューサーとしてタッグを組むことになるリー・スクラッチ・ペリーも「台無しにしてしまった」と辛辣であったが、リー・ペリーがボブ・マーリーに聴かせた時マーリーの反応は「It is different, but me like how him feel it」(これは違うけど、俺はコイツらの感じ方が好きだ。)そして「2つの民族の疎外された若者たちが慰め合い助け合うために団結したら」という思いで名曲「Punky Reggae Party」を作るきっかけにまでなった。

「あれほど独創的なカヴァー曲は今でも他に聴いたことがないし、他人の曲をいかにして自分のものにするかという手本みたいなものだね。」
– The Beastie Boys – マイク・D 

・原曲データ

1976年5月リリース (JA)/1976年7月リリース (UK)
フォーマット: 7インチ、12インチ、45回転
録音:1976年5月、ジャマイカ、キングストン、ブラック・アーク・スタジオ
長さ 4:04
レーベル Wild Flower/Island WIP 6316
ソングライター ジュニア・マーヴィン, リー・”スクラッチ “ペリー
プロデューサー Lee “Scratch” Perry

・原曲概要

ファルセットボーカルで後にボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのリードギタリストとしても活躍したジュニア・マーヴィンが書いた曲であり、サウンド・アレンジと一部作曲したリー・スクラッチ・ペリーもクレジットされている。

もともとギャングの抗争と警察の残虐性をテーマにしているがダウンタウンにおける血なまぐさい政治的暴力行為を超越し、現在は底辺から、圧制に立ち向かう世界中の人々のアンセムとなった。

マーヴィンは1976年5月にリー・ペリーのブラック・アークのスタジオでオーディションを受けた。この曲にはボリス・ガーディナー、アーネスト・ラングリン、スライ・ダンバー、キース・スターリング、ジョー・クーパーが参加し、バッキング・ボーカルにヘプトーンズのバリー・ルウェリンとアール・モーガンが担当した。

翌日にはダブ・ヴァージョンがミックスされ、歌詞の異なるヴァージョンが録音された。アップセッターズのダブ・ヴァージョン “Grumbling Dub “をバックに数日で路上で披露され、ジャマイカで大ヒットを記録した。ジャマイカではフェデラル・レコードの子会社レーベル、ワイルド・フラワーからリリースされたこの作品は7月にアイランド・レコードからイギリスでリリースされ、母国ジャマイカよりもイギリスでの方が売り上げやクラブでのヒットが大きくなった。アメリカでも成功を収め、ジャー・ライオンのディージェイ・ヴァージョン「Soldier and Police War」とグレン・ダコスタのサックス・ヴァージョン「Magic Touch」を加えた12インチ・ヴァージョンもリリースした。

ブラック・エコーズのレゲエ・シングル・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、NMEの年末のシングル・チャートでは6位を獲得した。

・余談

レコーディング中にはボブ・マーリーの「ダンシング・シューズ」もお気に入りで戯れ的なセッションをしていた。

・関係者コメント

「あれはホワイト・レゲエではなくパンク・レゲエだったんだ。俺達のルーツの一つを表現しようとしたのさ」
(ジョー・ストラマー)

・注釈

ジャーワーク=ラスタファリアニズムの功績・スピリット
ここでは上記のような解釈

・その他リリースやカバー

ーTheCLASHー
2001年の映画ウェス・アンダーソンの「ロイヤル・テネンバウムズ」

ーJunior Murvinー
1978年の映画テッド・バファルーコスの「ロッカーズ」

1987年のシングルにプリンス・ジャミーがプロデュースしたデジタル・バージョン

1998年の映画ガイ・リッチーの「ロック・ストック・アンド・トゥー・スモーキング・バレルズ」

2007年のアルバム『Inna de Yard』にアコースティック・バージョンが収録 

2008年にラルストン・ブラウンがプロデュースしたシングルにニュー・バージョンがリリース。

2019年にはフランスのレーベルBroken Stick Recordsから、マーヴィン自身によるヴォーカル・ヴァージョン(2006年録音)新しいディージェイ・カット、メロディカ・ヴァージョン、ダブ・ヴァージョンを収録した12インチがリリースされた

ーその他ー
2007年の映画ロバートベンガラントの「Reno 911!:Miami」ー「Sprechen Sie Deutsch」でクレジットされているデイブ・グロールが演奏

2015年Billy Iusoの「Overstanding」収録

・歌詞

Police and thieves in the streets
Oh yeah!
Scaring the nation with their guns and ammunition
Police and thieves in the street
Oh yeah!
Fighting the nation with their guns and ammunition

From Genesis to Revelation
The next generation will be hear me
From Genesis to Revelation
The next generation will be hear me

And all the crowd comes in day by day
No one stop it in anyway
And all the peacemaker turn war officer
Hear what I say

Police, police, police and thieves oh yeah
Police, police, police and thieves oh yeah
From Genesis oh yeah
Police, police, police and thieves oh yeah

Scaring, fighting the nation
Shooting, shooting their guns and ammunition

Police, police, police and thieves oh yeah
Police, police, police and thieves oh yeah
Here come, here come, here come
The station is bombed
Get out get out get out you people
If you don’t wanna get blown up

・和訳

通りの警察と泥棒たち
銃と弾丸で
国民を脅かす
通りの警察と泥棒たち
銃と弾丸で
国民と戦う

創世記から黙示録まで
次の世代が現れるはず 聞いてくれ
創世記から黙示録まで
次の世代が現れるはず 聞いてくれ

一日また一日と 群衆は押し寄せてくるけど
誰ひとりとして どんな形にせよそれを止めようとはしない
すべてのピースメーカーは戦争執行人となる
オレの言うことを聞いてくれ

警官 警官 警官
泥棒 泥棒 泥棒
聞くんだ さあやって来たぞ
駅が爆破される

気をつけろ さあよく注意するんだ
おまえたちも吹き飛ばされたくないのなら

警官 警官 警官
泥棒 泥棒 泥棒
聞くんだ さあやって来たぞ
駅が爆破される気をつけろ さあよく注意するんだ
おまえたちも吹き飛ばされたくないのなら

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